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1 : 主張

1947年 内部資料

自由美術家協会は、名の示すが如く自由な純粋な芸術意欲によって結ばれた、若い芸術家の協会であります。
私達があえて自由を主張する根底には,当然、保守主義、事大主義に抵抗する強い意志が貫かれています。私達は自由に新しい前衛芸術を作ろうという主張で結ばれています。もう一つは、浅薄な形式主義。
これは欧米の芸術運動を浅薄な形式主義でただ模倣することしか知らない徒輩です。この現象は芸術の世界に限らず、政治にも経済にも科学にも、色々な形になって根強くいり込んでいます。私達はその好ましくない環境を超克するために、地味に力強く抵抗しなければならないと自覚しています。
私達の協会は、あえて表現形式の上で限界を持って居りません。前衛的な自覚で新しい芸術を自由に創造しようという意欲を主張しています。そうして更に私達の芸術運動の底にユマニテを自覚し意欲することに於も一致しています。このような事は芸術の当然の命題といえましょうが、日本の今日の段階ではこれこそ前衛的な主張の根幹となるものと思います。以上のような根本的な命題を誤ることなく、今後、より健康的な、より力強い、真に世界的な視野を持った、しかも日本の現実に根を降ろした創作活動を展開したいものと念じています。

1947年 内部資料