自由美術協会

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東京自由美術展報告

美濃部民子

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東京自由美術展の受付に居ると通りがかりに観られた方から「すごく良い展覧会なので出品したいのですが……」と問われる事がある。そこですかさず本展の出品目録に招待状一枚を添えて「秋にあるこの展覧会に出品していただいて、入選を重ねて会員になられたら……」と話すのだが話しているうちに思えばみんな長い歳月をかけているんだ、自分も含めて……と感慨深いものがある。

今年で4回目を迎えた東京自由美術展は自由美術前事務所の石川惠助氏の大いなる胆入りで始まった。東京を始めとする関東、山梨、静岡(今年から)の会員を中心に、全国の地方事務所にも呼びかけ応じて下さった方々と共に平面と立体で構成される会員展だ。

本展では並べられない作品発表も出来、回を重ねるごとにそれぞれの作家の本展とは違った会場の生かし方が出来てきているように思われる。

今年は特に広島、三重、秋田、山口からの出品もあり、今までとは又違う新鮮な壁面を作ることが出来た。立体と一緒に展示する会場はそれだけで本展とは趣きが異なる。

都美術館は以前六本木へ本展が移る以前に使っていた頃とは館内がリニューアルされたのと同時に運営方法も大幅に変わったようだ。こちらの経済的事情(手伝いの人を頼めないとか)にもよるのかも知れないが、館側の「貸してやるよ」的な態度にはうんざりさせられる。絵画人口の裾野の広がりの結果なのか、以前とは隔世の感がある。使用者側への心遣いなど皆無なのはなぜなのだろう。

第一回から回を重ねることで徐々に出品者が減少してきている。(今回展は83 名)出品者を会員に限っているより広く募らなければならなくなってきている。かつての五月展のように入選者も含めての展示は会場の広さから無理なので新しいあり方を探っていかなければならないだろう。都美術館側も五年毎に借り手団体の見直しがあり六回展からは新しい方向になりそうだ。

ともあれ今回の東京自由美術展は私にとって親しい方々との大きなグループ展といった心地良さがあり、皆様に助けられなんとか事務所を務めることができました。ありがとうございました。

隣で開催している会の出口近くが入口だったということもあり招待者の方ばかりでなく2500 名もの来場者があったことも嬉しいことだった。